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2007年1月30日 (火曜日)

地中美術館:クロード・モネ

モネの睡蓮のシリーズが四点設えられている。
正面の壁に1915-26年制作の油彩画「睡蓮の池」
(縦200cm×横300cmのキャンバス2枚組)、
両脇の壁面にはそれぞれ
(左)1917- 19年(100cm×200cm)「睡蓮の池」、
(右)1914-17年(200cm×200cm)の「睡蓮」が設置され、
入り口開口部左に
1916-19年「睡 蓮-柳の反映」(100cm×200cm)がある。

オランジェリー美術館のモネの展示室を手本にし、
純粋に絵画を鑑賞するその一点の目的の為に
あらゆる方法が試されたとされる、その潔癖なまでに
観念に彩られた部屋は、逆にその為か、モネの絵画自体を
私には見にくくさせていた。

表面を保護するために、前面に張られたガラスは、
いくら遠く離れようともそこに映る部屋や他の作品の
反映からは逃れる事は出来ず、全体に薄く不均質に
もやをかけ、近くに寄ったとしても、眼の上に
ものもらいのような不穏な影を落とす。

壁に埋め込まれたキャンバス、大理石の白い額縁、
その隅から隅まで配慮された事の伺える様子は、
逆に、普段は気にもさせぬ細部へと私の眼を誘う。
一本ではなし得なかったのか、数本で組み合わされた
額縁同士の分け目、角の排除された白い部屋の
ペンキの塗りムラ、もはやモネの絵画それ自体を
鑑賞する弊害ばかりにしか私には思えない。

しかしながら、美術鑑賞それ自体が
観念に彩られた代物である事を
これほど決定的に思い知る事の出来る場というのも
他に思い起こす事も出来ない、
極めて希有な場である事だけは確かだろう。

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