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2008年7月13日 (日曜日)

黒い本

Ed1 すでに終了した展覧会だが、東京・代々木、秋山画廊にて「敷物ー焼かれた言葉ー:遠藤利克」展を観た(2008/7/2~7/12)。このところ縁あってこの彫刻家の作品を観る機会に恵まれている。

この展覧会は新作ではなく1993年に制作された作品によるもの。未確認だが400冊くらいはあるのだろうか、タールが塗り込められバーナーで焦げ付きを与えられた分厚い聖書を思わせる本がギャラリー中央にぼてぼてと敷かれている。全体で四角い輪郭を形成する総面積は3.5×5メートルといったところか。5センチほどの高さを持つそれらの一冊一冊は場所によって一層から四層にランダムに積み重ねられぎこちない表面を作り、バーナーで焼け焦げ跡を付着させる際にページが飛ばないようにする為か、それぞれはその表紙からページを貫くようにビスで留められている。本同士の
凹凸の隙間には水を入れられた筒状の透明プラスティック製容器が10個ほど点在し煌めく。立ち込めるタールの居心地の悪い臭気が、半端に焼かれた作品の表面に、いつまでも乾く事のないじめじめじめっとした薄暗がりの日陰の腐りかけの畳のような印象を抱かせる。あまりに単純に過ぎる発想かもだが、本焼き行為からは「焚書坑儒」、或いは「華氏451度」が想い起こされる。しかしそれらとは異なる物語が発生しているのもまた確かな事だろう。

秋山画廊
http://www.akiyama-g.com/index.html
焚書坑儒:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%9A%E6%9B%B8%E5%9D%91%E5%84%92
華氏451度:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%AF%E6%B0%8F451%E5%BA%A6

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