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2008年10月13日 (月曜日)

所沢ビエンナーレ・プレ美術展:カタログについてのメモ1

前回のエントリで紹介した「所沢ビエンナーレ・プレ美術展 引込線」のカタログは1色製版の本である。手元にある同様にモノクロの2007年MoMAで行なわれたリチャード・セラ個展のカタログ(4色製版)と比較すると黒の色の性格がまるで異なるのがよくわかる。4色製版のそれのように黒い色が単独の色として主張するのと対称的に、モヤの立ち籠めるような、粉を吹いたような表面、つまり質の印象を強く与えるのが1色製版の特徴である。展覧会場を撮影した写真は、この会場(旧工場内)の特性故かどれも暗い。暗い事で1色製版である事を助長している。印刷されたそれぞれは、黒という色そのものよりも、その色の張り付いた、或いはその色の奥にある何かに見る者の想像を誘っているようだ。これらの事柄だけが起因しているのではなかろうが、この本はどこか煤のように黒い、湿度を帯び空を低くする嵐の前の雲のごとくどんよりとした塊としての存在感を持っている。シャレた雰囲気を持つ“アート”の響きとは縁なき始終のこの物体はカタログと言うよりも本である。

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